「せんせー!」



誰かの呼ぶ声が聞こえる。




「どうしたの?」



と聞くと、女の子が、答えた。




「さっき、トイレに行ってたんだけど、廊下めっちゃ臭かった。焦げてるみたいな」




そう言った。



勉強の間にトイレに行くのは自由だ。



でも焦げてるってどういうことだ?




私たちは気になったので、私だけで、廊下に出た。



そして、園長に言いに行った。




「園長、子供が焦げ臭いというのですが、何か知りませんか?」




そう聞いて見た。



しかし、園長は知らないという。




仕方なく、トイレの前の廊下に行った。




すると、たしかに焦げ臭かった。




もしかして、火事?



そう思った。




そして、みんながいる、リビングルームに行った。



そこでは、もう何人かが、お風呂に入る準備をしてた。



私は、リビングルームに居た、もう1人の従業員に、廊下が焦げ臭いことを伝えた。




「火事かな」



もう1人が言った。




「でも、トイレの前ってキッチンとかないよ。園長室の前の廊下は焦げ臭くなかったし」




私も言った。




結局、私たちは子供達をお風呂に入らせ、2人で火事じゃないか探した。



まずは、トイレの近くにある、個室。



『天空』では3〜4人で、一つの部屋に住む。




そのうちの一つの部屋だ。




焦げ臭かったが、何も見当たらなかった。




そして、8時になり、少し経った頃、




「先生、大変!!燃えてる」




そう言われた。




そして、その子供に案内されて、燃えてる場所に来た。



それは風呂場のすぐ近くの部屋だった。




そこは従業員の部屋。




誰の部屋とは決まってない。




男子用と女子用があり、そこは女子用の部屋だった。




私はすぐに、『天空』に居た、従業員、2人と園長に伝え、子供達を逃がそうとした。



でも、もうだいぶ手遅れだった。



ドアから逃げた人が何人かいたが、そのすぐあとに上から燃えた木が落ちて来た。



その木で火傷をした人はいなかったが、入り口が塞がれた。



『天空』は、元は旅館で、西側と東側の二つに分かれている。



二つは、リビングルームで繋がっている。




東側が女子で、西側が男子。



東側はもう火しかなかった。



西側も端まで来たが、だんだんと迫って来ている。




しかし、私たちはそこから出ることができなかった。



消防車がいつになっても来なかったのだ。