「岡辺って言ったっけ。お前はあの事件どれだけ知ってるんだ?」


安藤海央が言う。



ここは事情聴取をする場所だ。



「あの事件って火事のことですか?」



「そうだ。」


「どれだけって。誰かのせいで起きたってことくらいですかね?」


「ふっ。それじゃ、あたしの気持ちはわかんないだろうね。」


「どういうことですか?」



私と安藤は多くの警察官に見られながら、事情聴取を行なっていた。


本当は私はこんなことやりたくなかったが、安藤が事情を知っている私の方がやりやすいと言い出し、私になってしまった。