「あのな、俺と付き合ってくれ。」

「はあ!?」

今まで黙って見てた怜也が間抜けな声を出した。

「真央は?別れるとか言わないよな!?」

「別れる。もうめんどくせーんだよ。すぐ泣くし、はっきり言ってあしでまといだし
ぜってぇ沙織の方が合うと思うんだ。怜也、思わねぇか?」

そう言って沙織の腰に手を回す。

真央が涙をこらえてるのが分かった。

「馬鹿だろ、、。」

「ああん?」

睨みつけると黙り込んだ。

「ねぇ、咲也、それホント?」

甘ったるい声ではしゃぐ沙織。

「ああ。ホントだよ。お前の方がかわいいって気づいたんだよ。」

そう言って沙織にキスをする。

「ねぇ、咲也~♡」

「ん?どうした」

「ドライブ行きたいな♪」

上目遣いで甘えてくる。

「今から?」

「うん♡」

「寒いじゃん。風邪ひくよ?」

そう言って上着を沙織の肩にかける

上着を受け取った沙織の顔は恋する乙女そのものだった。

こんな俺にほんとに惚れてくれてたのか、、。

驚きでぼーっとしてると

「咲也?帰ろうよ」

沙織が手を取ってブンブンする。

「ん?そうだね」

沙織をバイクの後ろに乗せて家まで送る。

沙織が家に入ったのを見届けて俺も家に帰る。

部屋に行く気力もなく、リビングのソファに寝転がる。

あれは本心じゃない。

本当は真央の事がまだ好きだった。

でも、馬鹿な俺には守るためにはこの方法しか思いつかなかった。

こうすることで沙織が満足するなら。