王宮専属絵師

すると、遠くから豪華なドレスを着た女性が近づいてくる。


女性の隣には長身の男性がおり、その女性が身分が高いことが人目で分かった。


女性は綺麗な赤茶色の髪をなびかせながらゆっくりとこちらに近づいてくる。


妖艶で貫禄のある女性に目を奪われていると、いつの間にかその女性が私の目の前におり、こちらに手を差し伸べてきた。


その時、自分がまだ地面に倒れていたことに気づいた。その手を取ろうと自分の手を伸ばした瞬間、さっき私を叩いた男性が大声で何かを言いながら駆け寄って来るのが横目で見えた。