特に友達が欲しい訳ではない。


グループになって他人に合わせたり、自分が我慢したりするくらいなら1人の方が気楽である。


そんな、冷めた感情しか持っていない自分に若干呆れながら今日もまた風景画を描く場所を探し歩いていた。


今は、放課後である。人も少ないし、立ち入り禁止の屋上にでも行って大自然の風景を描こう!


そう決めた私は早速、屋上に向かった。


古く錆びた鉄の扉。ドアノブにゆっくりと手をかけた。


ギギィーーーと不快な音を立て扉が開く。