王宮専属絵師

「陛下!!私は反対です。どこの馬の骨かも分からぬ者が専属絵師など危険すぎます!」


「黙れミセヴァル。もし、そなたが明日試験に合格し専属絵師になれた暁には、特別に城内で店を構え絵で商売することを認めよう。」


何も言えない私を見て陛下がせせら笑い。




命が惜しかったら、大事な道具を捨てろと?!
あれは、友達がいなかった私のかけがえのない友と同じ存在であり、命である。


ならば、道具を捨てて逃げたとしても命を捨てたことに値する。そうとなれば、私の選択肢は初めから1つである。


「陛下、私に専属絵師をするチャンスをください!」


「ふっ、よかろう。ミセヴァル、亜美が心配であるなら、お前が明日まで見張れ。」


そうミセヴァルに言うと陛下は颯爽と城に帰っていった。残されたのは、地べたに座る私と、苛立ったミセヴァルの二人であった。