王宮専属絵師

私は大きく頷く。


「そうか、さすがであった。カザリヴァ」


「ありがとう存じます」


女性が褒めると、優しい男性が頭を下げた。


「陛下、彼女は異世界から来た者のようです。言葉もさることながら、その黒髪。この国には黒髪の者はもう生まれません。あの一族は滅んだのですから…」


「そのようだな」


女性は興味深そうに私を見つめている。


優しい男性の説明で私は本当に異世界に来たのだと確信した。