俺は携帯を握り母ちゃんに電話した



耳が聞こえなくなってから初めて話した


『母ちゃん、俺、翼...俺、耳も聞こえなくなった、今から帰るから直ぐに迎えに来てくれ』


耳が聞こえないから自分の要件だけ話して電話を切った



茜が側に居るのが分かった



茜の匂いがしたから


茜は俺の背中をドンドン叩いてる


きっと泣きながら叩いてるんだろうな?


茜、ごめんな




もう、どうにもならないよ....



終わりにしよ




伝える事も出来ない


俺は自分の荷物をまとめた