階段を上がってくる音がした


母ちゃんが来た


『翼、話しって?』


『母ちゃん、俺、彼女が出来たんだよ』



『彼女?
翼....
良かったなぁ、もしかして、この前、翼に手紙をくれた子か?』

『そうだよ。椎ノ木茜って言うんだ、俺がボランティアしてるセンターで知り合ったんだ』


『翼、大事にしてあげるんだよ、けど....』


母ちゃんが話すのを止めた


『母ちゃん、けど何だよ?』


俺は母ちゃんの言いたい事がわかった


母ちゃんは茜の親の事を気にしてるんだろう


『母ちゃんの言いたい事は分かる』

母ちゃんは一言だけ


『翼、頑張れ』


と言い部屋を出て言った


俺はパソコンを開き小説を書き出した


書いては消しての繰り返しだけ自分のペースで進んでる


パソコンから手を離すと茜の事を考えてしまう



人生初の恋人



君の恋人として季節を感じたいよ



茜....


俺の心の鍵は君に預けたよ



君が鍵を閉めたい時は鍵を閉めて良いんだからね....



健常者と障害者の付き合いは難しい事も俺は、わかってるからな....


君が鍵を閉めない限り俺は君を愛し君を幸せにしたいよ




このまま月日が流れる事を祈った



まさか....


絶望の日が来るとは俺は、まだ気付いていなかった