また君と出会えたら

なんとか、飯を食い終わり身支度を終える。

時計を見ると家を出る3分前。
ふぅ…。焦ったし、何よりも疲れた。

今日はいつもより少し早く家を出ようか。
そう思っているときだった。

インターフォンの音が鳴った。

きっと、この時間帯にこのアパートに来る奴なんて、結衣(ゆい)ぐらいしか居ないだろう。

結衣とは、小さい頃からの仲で俗にいう幼馴染と言われるやつだ。

一応、確信はないのでインターホンに声をかける。

「はい?」

「久しぶりに学校、一緒に行かない?」

やはり、この声の主は結衣だった。

「わかった」

特に断る理由も無いので、了承する。

「誰?結衣?」

ニヤニヤしながら、秋優が聞いてきた。

俺が準備をしている間に、
俺の食い終わった食器を洗っていると思ったら、いつの間に聞いていたんだ。

「そう。結衣」

「兄ちゃん、結衣のこと好きなんじゃねーの?
告れよー」

「あいつは、ただの幼馴染だ!!」

そう言いながら俺は、外に出た。

すると、家の前にいた結衣は不思議そうな顔をしていた。

「ただの幼馴染って私のこと?
秋優になんか言われた?」

こっちは、こっちでニヤニヤと聞いてくる。

あぁ、もう。
どいつもこいつも。

「うるせぇーな。学校行くぞ」

「そんなんで、怒んないでよー」

結衣は、笑いながら言ってきた。

「別に怒ってないわ」

俺もその笑顔に釣られて笑う。