女神様、女神様







貴女を愛する忠実なる騎士になろう






貴女をどんなときでも守りきる







だから悲しい顔を見せないで







「ミナ、日の当たる所にいたら肌が焼けるぞ」







風が吹き抜ける野原の先には何時もの様に顔を俯かせ身を縮んだ俺の女神様がいた






彼女は俯かせていた顔を少しあげて俺を見上げか弱い声で俺を呼ぶ






「司………」





「また他の子に何か言われたのか?」






彼女は生まれながらにして色が無かった






肌は通常よりも雪の様に白く





髪にも色素が無く





瞳だけが血のような真っ赤な瞳をしていた







「……私だけ、皆と違って色が無いの。」





「黄色い肌も、黒い髪と瞳も無くて。あるのは白い肌と髪に赤い化け物の様な瞳だけ。」







颯爽と生い茂る野原に座っていた彼女の隣に腰掛ければ何時もの様に彼女は自信を苛める子達に言われた言葉に悲しみを浮かべる




其れを慰めようと彼女の白い髪に触れるのは俺の黄色い手





彼女と真逆の黒い髪と瞳







触れた彼女の髪はとても柔らかく、糸の様に繊細だった







「ミナの髪は凄く綺麗で、赤い瞳もミナだけの特別なものだと俺は思う」







髪を一束すくいそっと俺の唇が触れる








「例え世界中の奴がミナの事を嫌っても、俺はミナの事が好きだ」






そう言えば彼女はふわりと満開の花の様に微笑み





「司……有難う。いつも励ましてくれて」





俺だけにその笑顔を見せるんだ