月夜の涙

「おい、狐珀。時間だ。」



ついに来てしまった



館人が私を呼びに来た



「チッ…分かってるよ」



少しばかり悪態を付いても罰はあたないだろう。



だって私はなんの罪も犯していない。



「来い。ここをまっすぐ歩け。その先は人間界だ。」



私は、無言でそのいかにも怪しそうな門をくぐった。



本当は怖くて仕方が無い。



ホントは泣き出したかった。



館人に抱きついて助けを求めたかった。



でも、そんなことしたって仕方がない。



それ以上に私のプライドが許さなかった。



そんなことを考えているうちに眩い光が私を包み込む。



どうやら着いてしまったようだ。