「やっとついた~」
今年も桜の木がきれいな花を咲かせてくれているとわかると、少し安心する。
いや、ちがう。
なぜかそこには見知らぬ男の人が立っていた。
桜を見上げている。
同じ学校の制服だ。
その人は、私の視線に気づくと門の奥へと入っていった。
桜を見上げていたあの横顔は美しくて、まるでいつも穏やかに私をむかえてくれるあの桜の木のようだった。
あのとき、私の心臓は大きな音を立てて鳴った。
そう、私は人生初の『一目惚れ』をしたのだ。
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