「いや、やっぱり俺が言いたいから言うわ。」

「えっ。なにそれ。言わな────。」

悠宇の大きな手で口を塞がれた。
なに、やってるの、悠宇。これ以上私を苦しめないでよ。やめて、やめて!聞きたくない!!

「俺が好きなのは…お前だ、果林。」

え?今なんて言った?か…り…ん…って言った?しかも、お前って言った…?
悠宇の大きな手によって塞がれていた口が開放された。

「…え?いま、誰って、言った…?」

悠宇の顔は赤い。私よりは赤くないだろうけど、悠宇のこんな顔、見たことないってくらい赤い。

「だーかーらー。果林って言ったんだよ。」

今の私、どんな顔してるかな
口元が緩んで、ニヤけちゃってるかな
それとも、いつもみたいにあほ面してるかな