あらら。。でも、悠宇自身は気づいてないみたいだけど、結構モテる。だから、仲良い私は、悠宇のことが好きな女子から呼び出されることも少なくなくて。
私なら両想いになれるよ?悠宇?
まあそんなことは今はどうでもよくてっ。

「え、そうなの…?じゃあ悠宇アプローチしなきゃだね~。」

「そうなんだよ!それでな?どんなアプローチのされ方だったらこっち見てくれるかなーって。きけるの果林しかいないんだよ。」

いつになく真面目な悠宇の顔。
私も真面目に答えなきゃってなるよね。
だけど、この顔は私に向けるためのものじゃなく、好きな人に振り返ってもらうための顔。
そう分かっているはずなのに…。
悠宇の顔をみてこんなに胸が締め付けられるのはなんでだろう。胸が苦しくて、心臓の音が耳のすぐ近くにあるんじゃないかって思うくらいに
ドク…ドク…って聞こえる。
悠宇の顔を見ていたら、涙が今にも溢れそうで、下を向いて必死に止める。
だけど、やっぱり無理で、ぽたぽたと雫が頬を伝ってこぼれ落ちる。一旦流れてしまった涙はせきをきったように溢れて止まらない。

「果林?どうした?おい、大丈夫か??」

「あ…うん!目に…ゴミが…入っちゃった、だけ…」

苦しい嘘だったかな…なんて考えてもいたけど、涙は溢れて止まらない。

「目にゴミが入っただけでこんなに泣くやついるかよ。どうしたんだよ。果林!!

……なんでなんにも言わねぇんだよ。言えよ…。」