ピッピッピッピッ。

嫌な音が私の頭に流れる。

あーもう朝か。

カーテンを開けると心地よい日差しが部屋を照らす。

さっ、学校行こ。

支度をして家を出る。

1人で肌寒い道を歩く。

え…?


道の端でうずくまっている人…。

それは私の好きな人だった。

どうしよう。声かけた方がいいのかな。

困ってる?逆に迷惑?どうしよう。

「あの…大丈夫ですか?」

心配だから、声をかけてみた。

「え、あ、うん。」

なんて言ってるけど、明らかに顔色が悪い。

「ちょっと失礼しますね」

と言って、私は山田君のおデコに手を当てる。

あ、熱い。

「熱あるんで、送ります。家、どこですか?」

流石に病人をほっとくわけにはいかないよね。

「え、ちょっと」

なんて言ってゆっくり立ち上がる。

「早くしてください、悪化しますよ」

山田君の手を引いて歩き出す。

渋々家を教えてくれたが、まぁ豪邸で。

「親御さんは⁇」

「今日は仕事」

なんてだるそうに言う。

うん、やばいかもな。早くしとこう。

家に上がってベットに寝る山田君。

とりあえずタオルを濡らしておデコに置く。

「薬買ってくるので安静にしててください」

といって財布を出す。

「どうしてここまでしてくれんの?」

と、赤くなった顔で聞いてきた。

「こんなに熱のある人、ほっとけないですよ。」

好きだから、と言いそうになった口を押さえて家を出る。

とりあえず、智美には連絡しておこうかな。

『今日休みます』

私の家は親が仕事で県を離れてるから、休んでもばれない。

よし、薬買いに行こ。

見慣れない道を歩き出した。