この世に愛があるのなら


パッと振り返ると、"永遠"の女嫌いの黒髪が立っていた。


私の肩に掛かったのは彼のジャケットのようだ。


『……ありがと。あんた女嫌いなのに、こんなことして大丈夫なの?』


「ボロボロの女に上着掛けてやらねぇほどクズじゃねぇよ。」


男はケータイを弄りながら答える。


「それと俺の名前は城田 郁〜Shirota Iku〜。二度とあんたって呼ぶなよ。」