この世に愛があるのなら


お金もくれなかったから、今日の稼ぎは無いし。


……痛っ。


少し風が吹くだけで体中に痛みが走る。


私はやっとの思いで家に着き、ドアを開けた。


するとすぐに父の足音が聞こえる。


「かすみ、今日はいくら稼いだ?」


『お父さん…。今日のお客さんに暴力振るわれちゃって……』


父は眉間に皺を寄せて傷まみれの私を一瞥する。


「……稼いでないのか?」


『うん、ごめんなさ…』


ドスッ