それにしてもあの男、殴るだけじゃ飽き足らずにナイフやタバコなどを持ち出してきた。 服ごと切られたからもうボロボロだ。 ダラダラと血を流しながら歩く私は、すぐに繁華街の皆の目に留まる。 「かすみ血まみれじゃん!」 「誰かの恨み買ったんでしょ。自業自得ってやつだよね。」 いつも通り聞こえてくる言葉。 今は耳障りで仕方ない。