スプーンを片手に恐る恐る少量とって口に運ぶ。
……あれ?
「どう?」
「わりと美味しい。完全にたこ焼きだけど。」
「バナナとパインも美味しい?」
「美味しい。真面目にたこ焼きだけど。」
たこ焼きの本場じゃないのになにこの美味しさ。
メニューの名前と合ってないけどこれはこれでガツガツいける。
「そっか!よかった。俺も食べてみよっと。」
空緒くんのも美味しそう。
液晶テレビ味ってのがよく分からないけどメニューの名前と合ってる気がする。
目の前の空緒くんがフォークとナイフでパンケーキを適量に切って口に運んだ。
「どう?液晶テレビの味する?」
「いや、うん、どうかな…。」
「おいし?」
「……こ、個性的な…味…かな。」
「まずいんだね。」
出来たばかりのお店だから仕方ないか。
なんとか二人とも完食し、紅茶を飲んで店を出た。
ちなみに紅茶は普通に美味しくてびっくりだったけどね。


