「湿布も貼り終わったんだし早く教室戻りますよ。」
「えぇー。まだチャイムなってないじゃん。」
そう言えば……
「なんでチャイムならないんですかね?もう1時間目始まってる頃なのに。」
「壊れてるのよ。」
ガラッと音とともに白衣を着た保健の先生の高橋先生が、ポテチを食べながら入ってきた。
「壊れてる?」
「そ。昨日の部活の時間ぐらいから鳴らなくなっちゃってねぇ。それからは放送でチャイムの代わりしようってなったんだけど、1時間目開始の放送するの忘れちゃってぇ。」
「誰が放送担当なんですか?」
「私。」
……なんとも言えない。
「ポテチの大人買いの予算考えてたら放送時間過ぎちゃってねぇ。ふふふっ、ごめんねぇ。」
「は、はあ。」
「で、なんでこんなところに生徒がいるのよ。もう1時間目始まってるのよ?」
……この人は…なんていうか……憎めない人だな。
「早く戻りなさぁい。担任の先生方に言いつけちゃうわよー。ポテチくれたら黙っててあげてもいいけど。」
そんなにポテチが好きなのか。
先輩も苦い顔してる…と思ったら普通の顔してた。