「はははっ!それで湿気た面して私のとこにきたってか!」


「笑い事じゃないですよ。疲れるって程のもんじゃないです。疲れるを超えて吐き気がする。」


「まあまあ。せっかくの昼休みなんだから楽しくいこうぜ。」



あれから私は昼休みになって師匠の教室を訪れた。


屋上で一緒にお昼ご飯なんて初めてだ。


………光栄です。師匠。



「で、勉強会参加してくれますか?無理にとは言いませんけど。」


「参加するよ。私も苦手な科目を陽彩に教えてもらいたいし、なにより弟子と一緒にいられるからなー。」


「ありがとうございます。じゃあちょっと西宮先輩にメールしますね。」


「直接言えばいいじゃないか。」


「さっき西宮先輩から、話が決まったら教えてくれってメールが来てたんです。メールで言うんならこっちもメールで返します。」


「ふぅん。………なぁ、ちょっと聞きたいことがあるんだけど。」


「なんです?」


「彩心は陽彩のことが好きなのか?」


「は?」


「今の話聞いてると、メールじゃなくて直接言って欲しかったって聞こえるぞ。」


「……何言ってるんですか。メールで来たからメールで返す。常識ですよ。」


「……そうか?」



私が先輩を好きになるなんてありえない。

地球が真っ二つになってもありえない。

宇宙に吹っ飛ばされてもありえない。



それぐらいありえないことを軽々しく口にするなんて、師匠としては尊敬できない。