深呼吸を1回したかと思えば、溢れんばかりの笑みを浮かべた。



「さらちゃん。俺、さらちゃんのこと大好き。」


「…え?」


「はいっ!」


「!?」



突然の告白に戸惑う時間もなく、背中にずっと隠れていた先輩の右手に、手のひらサイズの花束があった。


それはもう、今さっき森から摘んできたばっかりのような。



「どーぞ。」



私は先輩から花束を受け取る。



「……すみれ…?」


「そっ!かわいいでしょ。さらちゃんのイメージに合わせて、紫にしたんだ。」


「…どうして?」


「だってさらちゃん、今日誕生日でしょ?」


「…!?」