*** あれから約20分。 教室には、私以外誰もいなかった。 顎を乗せていた手がちょうど痺れてきた頃、ガラッと勢いがある音とともに、誰かが教室に入ってきた。 「さらちゃん!!お待たせ!」 「遅いです。」 「ごめんごめん。長引いちゃって。」 「それと、他クラスには入っちゃダメなんですよ。」 「いいよちょっとくらい。」 先輩は走ってきたのか、少し息を切らしながら笑顔で言った。