また手を引かれてむりやり走らされる。



当たり前だけど私は校舎から引きずり出され、私の後ろは砂ぼこりが舞っている状況。



「ははっ!さらちゃん無表情だけどめっちゃ機嫌悪いね。黒いオーラ抑えきれてないよ。そんなに夜籠くんと帰りたかった?」


「いえ。先輩の強引さに苛立っているだけです。」


「そりゃ強引にもなるよ。好きな子が他の男と下校しようとしてんだよ?普通は止めたくなるでしょ。」


「先輩の場合強引すぎるんです。」


「話変わるけどさらちゃん。俺今悩んでる事があるんだよね。」


「……変わりすぎだよ。そんでもって興味ねーし。」


「まあとりあえず聞いてよ。さらちゃんはさ、俺がどれだけキミのこと好きか知らないでしょ。」


「そうですね。知りたくもないです。」


「自分で言うのもなんだけど、0.001秒刻みでさらちゃんの事考えてる気がする。」


「え、普通にキモい。」


「だよね?」


「認めるのかよ。」


「こんなにさらちゃんのこと好きって、何かの病気かもしれない。」


「つまり私は病原体だと。」


「ああ。いっそのことその方がいい。それで俺の中にずっと居座り続けてくれない?」


「それはいい案ですね。体の中からぶっ叩きまくって先輩の体をズタボロのケッチョンケッチョンにしてやりますよ。」


「頼もしい。」



実は先輩とこんなふうに帰るのも少なくない。


最近は毎日と言っていいほど一緒に下校している。