私をぎゅっと抱きしめながら何度も何度も“ごめん”と呟いてる先輩の顔は、後悔にあふれていて。
「…怖かったよな……。…ごめんな…。」
「ふぇぇ……先輩っ…。」
怖かった。
先輩の表情も、“黙って”っていう声も、私に触れてくる手も唇も……。
何もかもが、慣れていて。
慣れた手つきで触ってくるのが、怖かった。
そのとき保健室のドアが開いた音がした。
「ああっ!疲れたぁ〜。校長室に呼び出されたと思ったらポテチの食べ過ぎってぇ!どんな説教だよホントにぃ。」
っ!先生!?
「ん?ベッドに誰かいるのー?」
や、やばい。
どうしようっ!


