吸い付くようなキスとは違い、優しく、大切なものを扱うような手で触れてくる。
いやだよっ……やめてっ…。
お願いっ……!
「……ヒックッ……ふぇぇ……せんぱ…い…。……も……やだっ……。」
「…さらちゃん…?」
「……こわっ…い…!……や……めてっ…!…ふ…ふぇっ……。」
涙が次から次へと溢れてくる。
先輩の手から解放された手で必死に涙を拭う。
ぼやける視界から見えるその手首は、先輩の掴む力が強すぎて、真っ赤になっていた。
「……ご、ごめっ……さらちゃん…?」
「うぅっ……。」
「ほんとに………ごめん…。…ごめんっ…。」


