見たこともない怖い顔。
女の子たちから助けてくれたときとは比べ物にならないぐらいの低い声。
「何勝手にさらちゃんに触ってんの?」
「勝手にって……代々木ちゃんはセンパイのものじゃないでしょう?」
「……さらちゃんに何したんだよ。」
「別に何も。」
「何したかって聞いてんだけど。」
「だから何もしてないですって。」
すると先輩は私を離して、空緒くんの胸ぐらを掴み、靴箱に押し付けた。
「…っ、」
「……コンビニでさらちゃんに声掛けたのお前だろ?」
「だからなんです?」
「…気安く近づいてんじゃねぇよ。あの時俺はさらちゃん達から話聞いて、表向きはあんまり気にしてないようでただの嫉妬で終わってたけど、内心めっちゃ激怒してたから。」
そう…だったの…?


