『次は北澤君なの? いくら葉月でも無理だよー』 真弓と同じことを言われ、少しムッとした。 粘りに粘った揚句、根負けした友達は、簡単な情報をあたしにくれた。 分かったことは、ほんの少し。 名前は北澤凪。 美術部に所属していて、凄く上手いみたい。 無愛想だけど、顔がキレイだから結構モテるらしい。 情報はたったこれだけ。 何せあまり社交的じゃないらしく、自分の事をベラベラ喋ったりもしないみたい。 メアドも番号も分からない。 しょうがない、それなら会いに行くしかない。