あたしはそれでも止めなかった。 「無口な凪が珍しく饒舌かと思えば、それは言い訳だよ」 「は? どういう意味だよ」 凪は明かに機嫌を損なっちゃってる。 だけど言わずには居られない。 「重圧に堪えられなかったことを才能のせいにしてるって言ってんの」 凪は一瞬あたしをきつく睨んだかと思うと、また下を向いた。 「お前、ほんと欝陶しい。ムカつくわ」 力のない凪の言葉が、あたしと凪の間に落ちる。 「お互い様だよ」 あたしは静かにそう言った。