ただがむしゃらに、走り続けることしか出来ないでいた。 つまづけばすぐに傷付くくせに、粋がって、自信過剰で。 アンタはすごくムカつく奴だったけど、根っこの部分はあたしと凄く似てた。 油絵の具の鼻をつく匂い。 地べたに転がるキャンバス。 『陰気王子』 それがアンタの第一印象。 今のアンタは違うよね。 少なくともあたしはそう思う。