恐らく奈々さんは仕事、光次はまだ寝てるんだろう。
大家さんは??


俺がそう考えていると、玄関が静かに開き両手に買い物袋を持った大家さんが帰ってきた。


「あら、棗さんおはようございます...って言ってももうお昼ですね。」


そう言っていつもの笑顔を向けてくれる。俺は彼女に近づき、荷物を持ってあげる。


「おかえりなさい大家さん、皆は??」


「奈々ちゃんは仕事で、光次はまだ寝てますよ。光次は昼間はほとんど寝てますから。」


やっぱりか...面白いくらい予想通りな二人の行動に少し笑いながら、俺はいまさらある事に気付いた。


大家さんの全くぎくしゃくした感じのない話し方...棗さんという呼び方...やっぱり昨日のは夢だったんだろうか??
こんな清楚な大家さんであんな夢を見るなんて...俺って最低!!と自己嫌悪に陥った。