ちょうど俺が食器を洗い終えた頃、スーツに着替えた光次がキッチンに来た。


「あら光次、これから仕事?」


「ああ、誰かさんのせいで遅刻だけどな。」


これから仕事?もう夜だぞ?


俺は光次に何の...と聞きかけて寸前で止めた、深く干渉しない事!だったよな。


「じゃあ行ってくる。」


「いってらっしゃい。」


「いってらっしゃい、気をつけてね。」


光次が静かに限界の扉を閉めると、一気に家の中が静かになった気がした。


「棗さん、お風呂どうぞ」


大家さんに促され、俺は風呂に入る事にした。予想通りというか...風呂もかなり広くて落ち着かない。


広い風呂にゆっくりと入った俺はポカポカな気分で風呂場を出た。


「棗さん、お風呂どうでした?」


「ああ、凄く広くて気持ち良かったです。」


「そうですか、良かったです!」


大家さんは自分の事のように喜ぶ、光次とは正反対だ。