まったく...酷い目にあった。意外と大家さんはかなりのドジらしい。


キッチンの奥の広いリビングには四人座れるような長いテーブルがあり、そこに出来上がった料理を運ぶ。


とりあえず家にある材料で適当に野菜炒めを作ったらしいのだが、かなり美味しかった。


「棗さん、どうですか?」


「美味しいですよ、光次さん凄いなあ...」


そう俺が褒めても男は喜ぶ様子もなく、黙々と食べている。


「美味しいってさ、光次良かったね!」


「ん...?ああそうか?」

やはりこの男はかなり無愛想なようだ、金髪で、俺より身長も高くて無愛想なので少し怖い印象を受ける。


「棗さんごめんなさい、光次は無愛想だから誤解されやすいけど嫌な奴じゃないですから。」


「ええ、大丈夫ですよ。」


「まだ二十歳なのに、妙に落ち着いちゃって可愛くないんだから...!」


「えっ!?タメ!?」