「光次さん...?は料理出来るんですか?」


「ハイ、奈々ちゃん程じゃないですけど、結構上手いですよ。あっ!そうだ!」


大家さんは何かを思いついたかのようにパタパタとキッチンの方へ歩いて行った。俺も後をついていく。




「来なくて良いぞ。」


キッチンに入るなり、そう言われてしまう。


「インスタントのカップスープ位作れます〜!!」


大家さんは頬を膨らませて怒りながら、カップとインスタントのスープを三つ用意してヤカンに湯を沸かす。


「本当に光次は口うるさくて...姑みたいなんですよ...。」


ヤカンを手に近付いて来た大家さんが口に手を当て、小声で言う。


「何か言ったか?」


「いいえ〜何も〜。」


大家さんは笑いながら、俺が手に持っているカップにお湯を注ぎ込む。その様子を見て、本当の家族のように暖かいなと俺は思った。



...暖かいというより





...温かい......っていうか!


「熱い!!」


カップを溢れさせながら、更に大家さんは熱湯を注ぎ続けた為俺の手にお湯がかかる。


「ご...ごめんなさ〜い!!」