翌朝、俺は親父に車で駅まで送ってもらう事になった。玄関先まで母親も見送りに来てくれた。


「じゃあ、気をつけなさいね。」


おっ？うちの母親にしては珍しく俺の心配なんかしてくれているのか？


「あんた馬鹿なんだから、留年しないようにね。」


そういう事かよ！


「わかってるよ！そっちこそ、それ以上おばさんにならないように気をつけろよな！」


「直人、本当に...気をつけなさいね...。」


最後に母親が小さな声でそう言ったような気がしたが、車のドアを閉めた音で良く聞き取れなかった。


車内から母親の顔を見ると...泣いて......なんかなく、口を両人差し指で広げてイーッとしていた。何て親だ！


「母さんは照れ屋だから素直には言わないだろうけど、本当は直人の事凄く心配してるんだぞ。」


「わかってるよ...二人共体に気をつけてな。」


やばい、何かもう泣きそう。