「あ、そ、家が静かになって良いわ。」


「何だよそれ!ちょっとは寂しいとかないのかよ!」


「はいはい、寂しい寂しい〜。」


うちの母親はいつもこんな感じだ。放っておいて害は無いだろう。


「良く住む所見つかったわね、あんまりお金無いんでしょう?」


「ああ、ちょっと友達ん所に住ませて貰う事になったんだ。」


「あんた東京に友達なんか居たの?」


「い...居たんだよ!」


いちいち説明するのも面倒なので、そういう事にしておこう。


「ふ〜ん...あんまり変な事して追い出されないように気をつけなさいね。」


そんな事は言われなくても俺が一番良くわかってる、もしあの家のルールを破って追い出されるような事があれば...俺は他に住む所がない。