というか、彼女は俺に親切過ぎないか?もしかして俺の事気に入ってたりとか...俺が抱いた淡い期待は、次の瞬間指を二本に増やした彼女の


「二つ!決して恋愛関係にはならない事!」


と言う言葉によって脆くも打ち砕かれた。


「付き合っちゃダメって事ですか?」


「ハイ!あっもちろん外の人とは自由ですけど。」


「わかりました...説明ありがとうございます...。」


そうか...まぁ仕方ないよな、家が確保出来ただけでも感謝しないと。


しかし、俺はまだわずかに砕かれた期待のカケラを持っていた。隠れて付き合っちゃえば良いんじゃないか?別にペナルティがある訳じゃなさそうだし...


「ルール守らないと追い出されるんで、気をつけて下さいね〜。」


げっ!心読まれた!?


笑顔でそう言う彼女に恐怖感を感じながら、俺は泣く泣く本当に諦めた。


「じゃあ、これからよろしくお願いします。」


「あっ!あともう一つ!」


「えっ?」


「名前、教えて下さい!」