「こんなこと言って不安にさせたかもしれないけど、俺はこの会社を死ぬ気で守るつもりだから。もちろん、俺と一緒に働いてくれる奴らのことも」
光をたっぷり吸いこんだような大きな瞳と、力強い言葉に、ほだされたわけじゃない。
ただ、結城遼介という男は、とても正直で、とても誠実な人なのだと思った。
その直感が正しかったのかどうかはわからないけれど、あれから4年が経った今も、会社が潰れる気配はない。
「お、なんだお前、その格好」
オフィスに足を踏み入れたとたん、女みたいにきれいな顔の男が目に入った。
つるりとした頬に相変わらず笑みを張り付け、私を見たとたんおもちゃでも見つけたように近づいてくる。

