だんごヘアをやめた一週間前にもやっぱり絵里奈や西村さんに驚かれたけれど、竜崎ほど露骨ではなかった。
やっぱり私は女として何か足りなかったらしい、と再認識しながらマグカップに口をつけると、竜崎が手元を覗き込んでくる。
「あれ、おまえ豆乳なんて飲んでるのか。はは、いまさら胸は成長しないだろ」
この男は社長と違ってだいぶ鋭い。
バレたと思いつつ顔には出さず、私はひたすら画面に向かう。
この台風みたいな男にかまっていたら仕事が進まない。
しかし私がどれだけ無視したところで、台風男はなかなか通過してくれなかった。
「なんだよ、どういう心境の変化?他人にはまるで関心ありません、どう見られようが気にしないって感じで超然としてたのに」
「別に……他人に関心がないわけじゃ……」
「落としたい男でもできたか?」
竜崎の右手が私の額に伸びる。根元から掻き上げるようにわしゃっと前髪を持ち上げると、額を露出した私の顔をまじまじと見た。

