戸惑っている私を見下ろして、社長は真面目な顔で口を開いた。
「言っておくけど、本気だからな。俺は冗談でこんなことを言ったりしない」
冗談のほうがいくらかましだったかもしれない。
私は困惑したまま、端正な顔から目を逸らした。
「結婚て……」
私はついこのあいだ恋を自覚したばかりなのだ。
それがいきなり結婚だなんて、キャパオーバーにもほどがある。
考えれば考えるほど頭が真っ白になっていき、イメージすら吹き飛んでしまう。
「ごめん……どう答えればいいのか、わからない」
正直に答えると、社長はふっと息を漏らした。

