私と社長を観察するように見ていた結城駿祐が、ふっと柔和な笑みを見せた。
「ふうん、そうか。ようやくくっついたのか」
手が伸びてきたと思ったら、私の髪のバラの装飾に触れる。
「弟をよろしくね、デザート・ローズ」
にこりと人の好さそうな笑みを残し、天才音楽プロデューサーは彼と話をしようと待っている人たちの方へ去っていった。
ふうと息を吐いて、社長が私から手を放す。
「どうする? もう少しここにいるか?」
「ううん。もう十分この空間を味わった」
私の答えに「そうか」と苦笑して、社長は緩く巻いてハーフアップにした私の髪をそっとなでた。

