「はは、悪かったって。あとでちゃんとフォロー入れとくから」
「頼むよ、本当に」
じっと視線を送っている私に気づき、結城駿祐はおやというように目を細めた。
「あれ、かわいい子連れてるな。もしかして、この子がデザート・ローズ?」
社長は間髪いれずに答える。
「そうだよ、俺のすべてだ」
突然腰を抱き寄せられて、心臓が跳ねた。
ふだんめったに触られることのない腰骨辺りに手を回されて、動悸が激しくなっていく。
鼓動が体から漏れ出して周囲に聞こえるんじゃないかと不安になったけれど、幸いフロアにはラウンジ・ミュージックが充満している。

