途中、ゲストDJとして紹介された人物の名前を聞いて、私ははじめて今日ここに社長が来た意味を理解した。
音と光の奔流に既視感を抱きながら、思わずつぶやく。
「すごいところだね」
「アートと音楽の混沌。まるでお前の頭の中だな」
社長がなにげなく言った言葉に、はっとした。
「どうしてわかるの」
私も今まさに、自分でそう思っていたのだ。
「いや、わかるだろそれくらい。何年お前を見てきたと思ってるんだよ」
苦笑をこぼしてから、社長は私に視線を留めたまま少し考えるように間をあけて、ふたたび口を開いた。
「なあ、沙良」
「あ、遼介」
声がして社長と同時に振り向くと、ソファの正面に三十代と思しき男性が立っていた。

