一途な社長の溺愛シンデレラ


 どこかで見たことがある場面だと思った。

 小さい頃に読んだ絵本だろうか。それとも、なにかの映画?

 目の前に差し出された手にかぶさって、頭にイメージが浮かぶ。

 継母や義姉に虐げられていた主人公にガラスの靴を履かせ、城へ連れ帰ろうとする王子の手。

 あるいは、恋人の男性に突然重い病が発覚し、表向きは気丈な素振りを見せながらも陰で悲嘆にくれる主人公に、差し出される幼馴染の手。

 どちらの手も、狭い世界、もしくは狭まった視野から救い出す、命綱のようだった。

 自分に差し伸べられた大きな手をじっと見つめてから、私はそっと右手を伸ばす。