女性スタッフが紙袋の中身を取り出してハンガーに掛け、一礼して部屋を出ていく。
クラシカルなデザインのハンガーラックに吊るされた二着のドレスをしばらく眺めてから、私はダークブルーのほうを手にとった。
太ももまで入った大胆なスリットと、うつくしい銀糸の刺繍。
一度自分の部屋で着たことがあるそれに脚を差し込み、腕を通す。
鏡を見ながら、自力で上げられるところまで背中のファスナーを上げてから、となりの部屋に向かった。
ドアを開けた私と目が合うと、入口脇のソファに座っていた社長が弾かれたように駆け寄ってきた。
不自然なほどニコニコしながら、きょとんとしている女性たちを振り向きもせず、自分ともども私を小部屋へ押し戻す。

