一途な社長の溺愛シンデレラ



 地下鉄を乗り継いで連れてこられたのは、住宅街の一角にあるレンガ張りの建物だった。

 どこから見ても普通のマンションだけれど、社長は臆することなく外階段を上がり、建物に入っていく。

 廊下を歩いて奥まで行くと、開きっぱなしになった玄関ドアが見えた。二重扉になっているらしく、ガラスがはめ込まれたドアがもうひとつあり、こちらは閉まっている。

 英語だかフランス語だか、磨きぬかれたガラスにアルファベットの綴りが書かれていた。どうやらなにかの店舗になっているようだ。

 社長に続いて中に入ると、オフホワイトと淡いブラウンだけで構成された上品な空間に、白シャツに黒パンツという格好の女性がふたり立っていた。

「お待ちしておりました、結城様」