「こんなガキに熱中するなんて、遼介の趣味も相当変わってるよな」
社長はデスクにかじりつくように書面に向かったまま、意地でも顔を上げないつもりらしい。そんな彼を一瞥して、御池さんはさらりと口にする。
「で、ガキんちょ。遼介とどこまでやった?」
「ちょ、御池さん!」
「やだ、それはセクハラですよ!」
社長と絵里奈の声がかぶさった。
ふたりの方を振り返り、わが社の強面営業マンは面倒そうに言う。
「なんだよ、いいだろべつに。このクソガキには興味ねえが、このクソガキがそういうことに興味があるのかどうかには興味がある」
なんとも勝手なことを言いながら再び頭をわしわしなでてくる彼の手をかわすように、私は勢いよく立ち上がった。
御池さんが「おっ?」という顔をする。

