音楽プロデューサーだという、社長のお兄さんだ。 好奇の、というよりも、蔑むような目で彼女は私を見ている。 おそらく私よりもずっと彼の家の事情に詳しいであろう彼女のことを、社長自身はあまり快く思っていないようだった。そして、彼女のほうも。 「あなたは、社長の敵?」 「は?」 「どうして社長を困らせるの」 彼の疲れた笑顔が思い出されて、ふいに胸が詰まった。 『俺はデザート・ローズに命をかけてるし』 『俺はこの会社を死ぬ気で守るつもりだから』