一途な社長の溺愛シンデレラ


 L字の短いほうに私と社長、角を挟むようにして絵里奈と西村さんが座ると、社長は慣れた様子で水のピッチャーをとりあげ、四人分のグラスに注いだ。

「私、ここのお店テレビで見たことあります! ミシュランガイドで星を取ったんですよね! 行列がすごくて二時間待ちは必至って……」

 絵里奈が感嘆したようすできょろきょろあたりを見回している。

 一見すると老舗の寿司屋という様相の店内で、お客はみんな麺をすすっていた。昼時を過ぎて二時間待ちとはいかないまでも、外にはまだ客が並んでいる。

「でも、ここって確か、予約は受け付けてないですよね?」

「まあ、ちょっとな」